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2013年5月12日日曜日

IIJmio 高速モバイル/D × モバイルルーターで「FUSION IP-Phone SMART」の設定を試す(NAT越えまでの道のり)

MVNOの強い味方、VoIPアプリケーションサービスといえば、SkypeやLINEなど色々ありますが、最近頭角を現しているのが「050IP電話サービス」ではないでしょうか?OCNが提供する「050plus」筆頭に、色んな業者がサービスを開始しています。
そんな中、今回は「基本料金無料」を謳う異色のサービス「FUSION IP-Phone SMART」の設定について検証していきたいと思います。

尚、この検証は、あくまで私個人の環境で成功した事例を紹介するものであり、当然ながら全ての環境で上手くいくことを保証するものではなく、また、IIJmioが保証しているわけではありませんので、その点重々承知おきの上お試しください、、、



高速モバイル/D - サービスQ&A 「6. 動作確認済みのアプリケーションを教えてください。」
高速モバイル/DのSIMカードを取り付けたルータ経由の接続で「FUSION IP-Phone SMART」を利用する場合、通常はNATを越えることができないため、利用ができないことを確認しています。

IIJmioの公式サイトでは、ルーター経由で「FUSION IP-Phone SMART」は使えないと記載されています。つまり、これから説明する内容は、「IIJmioが公式でできないと言ってるものを強引にやっちゃいました」という内容です。利用端末によっては失敗する場合もあるでしょう。逆に、これで上手くいかなければ諦めましょう(苦笑)。

■前置き、、、なぜルーター経由だとダメなの?NATとは一体・・・?


この点について、細かく説明するのは時間の無駄です。本来何も知らなくても使えるのが常であり、知った所で他に何かの約に立つわけではないです。箇条書きにして簡単に説明しますが、設定を行うために知る必要は皆無ですので、読み飛ばして構いません。
また、前置きは半分が憶測です。的外れな内容である可能性が高いのでご注意下さい、、、

・NATとは、プラーベートIPアドレスとグローバルIPアドレスを相互変換する為の仕組み
・IIJmioはプライベートIPアドレスを払い出す為、NATが必要である
・050IP電話(VoIP)では、NATを経由すると通話用のサーバー(SIP)に到達できないことが多い
・「FUSION IP-Phone SMART」では、NATを回避(NAT越え)する仕組みがない(専用アプリがない)
・ルーター経由だと使えない原因は、恐らく「多段NAT」によるもの

上記の理由により、IIJmioではルーター経由での「FUSION IP-Phone SMART」が使えないと言うことです。050IP電話サービスも最近は増えていますが、OCNの「050plus」もBIGLOBEの「BIGLOBEフォン・モバイル」もDTIの「ServersMan 050」も専用アプリがあり、アプリ側でNAT越えの設定がされている可能性が高いため、問題無く使えるケースが多いわけです。

では、IIJmio以外の他社MVNOサービスではルーター経由で「FUSION IP-Phone SMART」を使えないのでしょうか?
恐らく同じ問題が起こると思われますが、他社MVNOが「グローバルIPアドレスを払い出している」場合は問題ないでしょう。NATが使われないからです。

まだ腑に落ちない点がありますか?IIJmioはプライベートIPアドレスを払いだしているから、ルーターを経由しなくてもサーバー側でNATが使われているのでは?という問題ですね。
これが、いわゆる「多段NAT」と呼ばれる現象です。

掻い摘んで申し上げると、「サーバー側ではNATを通してもSIPに到達出来るようにFUSIONと連携して処理しているが、モバイルルーターは個人で何使ってるかわかんねえからそんなことできるわけねえ」ということです(苦笑)。

さて、前置きが長くなりました。何度も申し上げる通り、上記は8割は憶測です。業者の内部事情など知るよしも無いため、的外れな内容である可能性が非常に高いです。にわか仕込みで誰かにドヤ顔で説明するのはやめましょう(自虐です)。


■NAT越えにパブリック(公開)STUNサーバーを利用する


これが今回のキモとなる点です。専用アプリをもつ050IP電話サービスには、アプリ側でこの設定がされている可能性が高く、「FUSION IP-Phone SMART」では使用するアプリに自分で設定をしなければなりません。STUNは、NATを検出し、それを回避してSIPまで到達させる仕組みですが、それにはSTUNサーバーの設定が必要となります。これが「FUSION IP-Phone SMART」では公開していません。そこで、公共のSTUNサーバーを利用するわけですが、これは誰でも自由に使える反面、悪用される恐れがあり、セキュリティのリスクを伴います。
IIJmioで公式に通常はNATを越えることができないと謳っているのはその為で、これは全て自己責任となります。
パブリックな情報を公式の手順として公開するわけにはいかないということです。
それを覚悟の上で利用して下さい。当方も一切責任を負いません、自己責任でお願いします。


■ここからは、何も考えずに設定してください(笑)。


今回使うアプリは、FUSIONが推奨しているAGEphoneAGEphone - ageet corporationを使った設定方法です。ほかにもAcrobits SoftphoneAcrobits Softphone - SIP phone for VoIP calls - Acrobitsなど有料で高性能なアプリもありますが、AGEphoneであまりにも問題無く設定できてしまったため、有料のアプリは試していません(苦笑)。
私の根底にあるのは「料金の節約」ですから、せっかく基本料金無料のサービスを使うのにアプリが有料?本末転倒ですね?

では早速いきましょう。一応図解です。(笑)
今回はiPhoneでの設定です。私はAndroidを所有しておりません。公式サイトを見る限り、Androidでは画面遷移が異なるようです。詳細は公式サイトをご確認ください、、、
ageet.com - AGEphoneオンラインマニュアル


まずはAGEphoneAGEphone - ageet corporationをインストールしましょう。

「FUSION IP-Phone SMART」の申し込みは済んでいますか?
発行された情報の入力が後ほど必要になりますので、先にログインして情報を確認してください。


AGEphoneを起動するとこの画面が出ますので、「OK」をタップします。


次に、右下の「設定ボタン」をタップします。


次に、左上の「初心者マーク」をタップします(笑)。


簡単設定画面が出たら、赤丸3箇所に情報を入力しましょう。

・サーバーアドレス:ドメイン
・内線番号:SIPアカウント(自分のIP電話番号の「050」を抜いた8桁)
・パスワード:SIPアカウントパスワード
Wi-Fiに接続した状態だと、「192.168.*.***」といった情報が入っている場合がありますが、上書きしてください。
BG着信についてはバッテリーの消費が激しいのでOFFを推奨としますが、任意です。
「確定」や「保存」といったぬるいボタンはないです(笑)。入力が終わったら設定画面に戻ります。


次に「詳細」をタップします。


次に「プライマリSIPアカウント」をタップします。
 


「ユーザーID=サーバーアドレス」、「パスワード=パスワード」が反映していることを確認します。
「匿名性を高める」はONで失敗する場合はOFFにしましょう。とりあえず任意です。


画面を下げると「NAT越え」の設定項目が出てきますので、ONにします。ご覧のとおりここからが重要ですね(笑)。


終わったら一つ前の設定画面に戻り、「NAT越え設定」をタップします。


①②③は順不同ですが、説明の都合上番号を振っています。
①(STUNサーバー1)に「provserver.televolution.net」を入力します。
②(STUNサーバー2)に「stunserver.org」を入力します。
③「NAT越え設定」をタップします。


「STUN」をタップしチェックを入れます。


これで完了です。最後に左下の「ダイヤル」をタップしましょう。
番号入力画面に「ダイヤルできます」とでれば成功です。


■レジスターに失敗する、、、


自宅のWi-Fi(無線LAN)に繋いでみましょう。自宅のWi-Fiに繋いで使えた場合、設定は問題ないです。残念ながらお使いのモバイルルーター経由では使えないという可能性が高いです。
自宅のWi-Fiでも使えない場合や、自宅にWi-Fi環境がない場合、設定内容を見直してみましょう。
設定内容に間違いがない場合、アプリをタスクから終了して再起動や、端末自体(スマホやモバイルルーター)を再起動してみましょう。

最終手段として、STUNサーバーを変えてみることです。
公開STUNサーバーはここで探せます。
Voip-Info.org
「Public STUN servers」の項目にある一覧から、最初に設定したもの以外に変更してみましょう。
サーバー1、サーバー2はどっちがどっちでも問題ありません。

ダメなら潔く諦めましょう、、、


■成功したが、通話がすぐ切れる、遅延する、、、


これは「FUSION IP-Phone SMART」同士だと起こるケースもあるようですが、それ以外でも発生する場合、以下を確認しましょう。
AGEphoneの[設定]→[詳細]→[高度な設定]→[エコーキャンセル]をオフ

音声コーデックも確認しましょう。
「FUSION IP-Phone SMART」で対応しているコーデックは「Speex(8kHz), iLBC, GSM, G711μ, G.722」のみです。
AGEphoneの[設定]→[詳細]→[高度な設定]→[コーデック選択]→[SPEEX/8000]のみを、3GとWi-Fi両方オンにしてみましょう。
一番品質が低いコーデックとなりますが、一番安定する設定です。

音質にごだわりたい方もいるでしょうが、基本料金無料のサービスです。贅沢は敵です。

ダメなら諦めましょう、、、


■BG着信はオンにすべきか?


これは、バックグラウンドでアプリを起動しておけば、着信してくれるという機能ですが、バッテリーの消費が激しいです。
VoIPアプリ全般に言えることで、050plusでもBIGLOBEでもDTIでも同じです。逃れることはできません。

「FUSION IP-Phone SMART」は無料で着信転送サービスがあります。公式サイトで設定できますので、携帯電話に転送させるのがおすすめです。



最後に、何度も申し上げます通り、今回紹介する設定は、誰も保証していない自己責任の世界です。ご承知おきください、、、

FUSION IP-Phone SMART 通話アプリ設定方法
ageet AGEphoneオンラインヘルプ